以前、相談を受けた企業さんの話です。
加工業を営んでおられている企業さんで従業員さんは皆さんパートさん。
加工の能力も高く、スピードも速い。
しかし、段取りが悪く生産性が悪いと社長は考えておられ朝礼でもよく『皆さん〇〇という段取りで仕事をされてたけど△△の方法した方がもっと効率上がりませんか?』といった話をされると『そうですね』と理解はされるけど気付けばまた元通りのやり方。
社長がおっしゃっている『段取り』の話を聞いてるとどちらかというと整理整頓(必要なものが必要な時にすぐに取り出せる状態)の話だなと思いました。
そんな中、一つ気になった言葉が。
企業理念の1つに『掃除』に関する言葉があり、聞いてみると毎朝数十分の時間をとって掃除をされているようでした。
綺麗な職場とそうでない職場、どちらにお客様は来られるか? 掃除をすることで後工程が心地よく仕事ができる 小さな事を徹底してできることが大事 。そういった考えのもとされているようで、まさにおっしゃる通りで素晴らしいなと思いました。
『掃除これだけしてたら5Sの考えも従業員の皆さん理解してないのかな?』と思い、社長に『掃除という言葉使ってますがこれって5S全てを含んでる意味ですか?』 と尋ねました。
『もちろん、そうです』とお答えいただいた後に
『いや、、待てよ、、、』と顔をしかめられた後、
『従業員には伝わってないのかもしれない!』と稲妻に打たれたようなリアクションをされました。
その時、部屋に店長が入ってこられたので、
社長から『ちょっとこの掃除について何を毎日しているか皆さんに説明してもらえる?』と急に話を振られました。
すると『モップがけして、作業台の上なども拭いて、窓を拭いて、駐車場も掃いて草引きをして、水やりをして、、』とかなり素晴らしい徹底された掃除(清掃)がされてました。
社長から一言『完璧な答えありがとう!』
『彼女達は伝えた事はきちんとしてくれて慣れてくると自発的に気付きから改善や新しい取り組みもいてくれる』『いつまで経っても段取り(整理整頓)しないなぁと思ってたけど、自分がちゃんと”伝えて”なかったんだ』と社長がおっしゃりました。
相手の反応がコミュニケーションの成果という言葉がありますが、伝える側と受け取る側には個々の違いはもちろんのこと、職歴や職場での立場によるパワーの違いによって様々なフィルターがかかってしまいます。 伝える側は伝わる伝え方を意識して、そして伝わっているかをしっかり確認する必要があると再認識した出来事でした。
そして社長がすぐに自分に矢印を向けて考えられたのが素晴らしい会社だなと思いました。
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[…] 先日『05.伝えると伝わる』という記事を上げさせてもらいましたが、その続編として別の話をさせていただきます。 […]